20代前半までの自分にとって、お金は「使うもの」でした。給料が入れば使う。車のローンを払う。クレジットカードを使う。遊ぶ。
そして、次の給料日を待つ。そんな生活をずっと続けていました。今では貯金したり、投資したりすることが当たり前になっていますが、最初からできたわけではありません。
自分のお金に対する考え方が変わり始めたのは、24歳頃でした。きっかけは、初めてもらったまとまったボーナスです。
当時、何にお金を使っていたのかは、「ドーパミンに支配されていた20代|見栄と承認欲求のためにお金を使っていた僕」にも書いています。
19〜21歳頃の働き方と金銭感覚については、「遊ぶお金さえあればよかった|何も残っていない自分に気づいて就職活動を始めた話」に書いています。
初めて「減らしたくない」と思った
24歳で働き始めた会社で、まとまったボーナスをもらいました。それまでの自分なら、「何を買おうかな」と考えていたはずです。
でも、そのときは少し違いました。口座にまとまった金額が入っているのを見て、「これ、減らしたくないな」と思ったんです。自分でも不思議でした。
欲しいものがなかったわけではありません。買おうと思っていたものもありました。でも、実際にお金を使おうとすると、「これ、本当に必要なのかな」と思うようになりました。
少し考えると、「別に今買わなくてもいいな」となる。以前の自分なら、欲しいと思った時点で買っていました。それが初めて、使うことより、残っていることの方がうれしいと感じるようになったんです。
大金が減ることの方が嫌になった
昔は、給料が入れば使うことばかり考えていました。でもまとまった金額が口座にあると、感覚が変わりました。3万円使う。5万円使う。
すると当然、残高が減ります。その数字を見るのが嫌になりました。買ったものを手に入れる喜びより、せっかく積み上がったお金が減る嫌さの方が大きくなったんです。
これは自分のお金の感覚が変わった最初の瞬間だったと思います。「必要だから買う」と思っていたものも、一度立ち止まって考えるようになりました。
本当に必要なのか。なくても困らないんじゃないか。少し待てないか。そう考えると、意外と買わなくてもいいものばかりでした。
妻のお金の使い方も大きかった
この頃には結婚していました。当時、自分のお小遣いは月3万円。でも、その3万円の中でうまくやりくりすることができませんでした。
足りなくなる。クレジットカードを使う。結果的に妻にもかなり迷惑をかけました。一方で、妻は本当にお金を使わない人でした。自分とは正反対です。
自分はあるだけ使う。妻は必要がなければ使わない。同じ生活をしているのに、この違いは大きかった。だんだん、「なんで俺はこんなにお金を使っているんだろう」と思うようになりました。
妻が我慢している横で、自分だけ好きに使う。それが少し恥ずかしくなったんです。使えば楽しい。でも、その分家のお金は減る。そう考えると、以前のようには使えなくなりました。
振り返ると、ボーナス以上に妻の存在が大きかったのかもしれません。
「使わなければ貯まる」を初めて実感した
当たり前の話ですが、お金は使わなければ残ります。20代前半までの自分には、この当たり前の感覚がほとんどありませんでした。
給料が入る。使う。なくなる。また働く。ずっとその繰り返しでした。でもボーナスを残してみる。毎月の給料からも少しずつ残してみる。
すると口座の数字が減らない。それどころか少しずつ増えていく。これが思った以上に楽しかった。昔は「買うこと」に喜びを感じていました。
でも少しずつ、「残高が増えること」にも喜びを感じるようになりました。ここから、自分のお金の使い方はかなり変わったと思います。
一番効果があったのは、口座を分けたこと

自分にとって一番良かったのは、口座を分けたことです。難しいことはしていません。給料が入る口座。貯金する口座。ただ、それだけです。
給料が入ったら、先に貯金口座へ移す。ボーナスもできるだけ貯金口座へ移す。一度そちらへ移したお金は、基本的に使わない。これを始めました。
今でいう先取り貯金ですね。当時はそんな言葉を意識していたわけではありません。ただ、「この口座のお金には手をつけない」と決めただけです。
これが自分にはかなり合っていました。普段使う口座にお金があると、どうしても使ってしまう。でも別の口座に移してしまうと、最初からないものとして生活できます。
そして貯金口座の数字だけは少しずつ増えていく。それを見るのが楽しくなりました。
100万円までは意外と早かった
この感覚が身についてから、最初の100万円まではかなり早かった記憶があります。毎月先に貯金する。ボーナスはほとんど残す。
それを続けて、記憶では1年半から2年くらいで100万円前後までいきました。人生で初めて、「自分でも100万円を貯められるんだ」と思えました。
それまでの自分からすると大きな変化です。20代前半までは、給料日前にお金がなくなるのが普通でした。そんな自分の口座に100万円ある。
これはかなりうれしかったです。100万円を超えてから300万円前後までは、いろいろありながら数年かかりました。でも最初の100万円で、「こうすればお金って残せるんだ」という感覚をつかめたことが一番大きかったと思います。
貯金が、仕事の意味まで少し変えた
口座にお金が積み上がっていくようになると、仕事に対する感覚も少し変わりました。以前は、
働く
↓
給料をもらう
↓
使う
でした。でも、
働く
↓
給料をもらう
↓
一部を残す
↓
口座の残高が増える
に変わった。同じように働いていても、手元に何かが残ります。昨日より少しだけ積み上がっている。それが仕事を続けるモチベーションにもなりました。
自分を変えたのは、難しいお金の知識ではなかった
この頃は、まだ投資について詳しかったわけでもありません。高配当株も知りません。難しい家計管理をしていたわけでもありません。
自分がやったことは、
使わない。
先に別口座へ移す。
ボーナスを残す。
これくらいです。でも自分には、それが大きな一歩でした。お金を増やす方法を考えるより前に、まず減らさない。これが自分のお金との付き合い方を変えてくれました。
妻とボーナスが、自分の金銭感覚を変えてくれた
振り返ると、「貯金をしよう」と何かの本を読んで突然決意したわけではありません。24歳でもらったまとまったボーナス。それを減らしたくないと思ったこと。
そして、自分とは正反対にお金を使わない妻を間近で見ていたこと。この二つが大きかったと思います。昔の自分は、お金が入ったら使う。
今の自分は、お金が入っても、使わなくていい。この違いは大きいです。そして、ここから少しずつ、「残す」から「増やす」という考え方へ進んでいきました。
まだこの頃は、自分が将来投資をして、資産形成についてブログを書くようになるなんて考えてもいません。ただ、「お金が残っているって、結構いいな」と初めて思えた。
自分のお金の考え方が変わり始めたのは、たぶんここからでした。次は、貯金ゼロだった自分が初めて100万円を貯めて、何を感じたのかを書いてみようと思います。
